霜月紗がFC2のほうで書いたものを移転して持ってきています。
かなり読みにくいです(-_-;)
FC2の方で書いている方が読みやすいと思います(
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ひょい、ひょい、と軽やかに屋根の上を跳びまわると、男は、人気のない小さな森の中に入り、ひときわ大きい木の前で立ち止まると、そこに腰を下ろす。
「はぁ…くだらないやつらだった」
呆れたように呟く男は、改めて見ると、上質そうな衣服に身を包んでいた。
ただの町民でないことは分かる。
どこかの貴族の息子だろうか、シャルメダネの貴族の顔をよく知らないアレンには分からなかった。
アレンは間近で男の顔を覗き込んでみる。
(私と同じ色を持ってるんだから目の色も一緒じゃないのかな…)
そう思って目を見てみると、自分とは異なった色、綺麗な朱色をしていた。
男は、アレンが自分の目を見つめてることに気付くと、苦笑いをする。
「気味、悪いか?」
少し悲しそうに問う男にアレンはぶんぶんと横に首を振る。
「綺麗な朱色をしてるな、って思っただけだ」
「綺麗…?」
「そう、綺麗。私はその色、好きだぞ」
「サンキュな」
男はニカリと笑ってくれた。
「はぁ…くだらないやつらだった」
呆れたように呟く男は、改めて見ると、上質そうな衣服に身を包んでいた。
ただの町民でないことは分かる。
どこかの貴族の息子だろうか、シャルメダネの貴族の顔をよく知らないアレンには分からなかった。
アレンは間近で男の顔を覗き込んでみる。
(私と同じ色を持ってるんだから目の色も一緒じゃないのかな…)
そう思って目を見てみると、自分とは異なった色、綺麗な朱色をしていた。
男は、アレンが自分の目を見つめてることに気付くと、苦笑いをする。
「気味、悪いか?」
少し悲しそうに問う男にアレンはぶんぶんと横に首を振る。
「綺麗な朱色をしてるな、って思っただけだ」
「綺麗…?」
「そう、綺麗。私はその色、好きだぞ」
「サンキュな」
男はニカリと笑ってくれた。
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男は無造作にアレンを抱き上げる。
「この国では人さらいは厳禁だぞ」
厳しい顔でそういうと、跳躍する。
そこは建物に囲まれた場所だったにもかかわらず、男はいとも簡単にそこから抜け出してしまう。
「…お前は誰だ……」
「警戒心丸出しのチビだなぁ…助けてやったんだから感謝ぐらいしてくれよ」
「お前もどうせ、さっきのやつらと同じような奴なんだろ」
「俺はあそこまで堕落してはいないから安心しな」
男はそういうと、アレンの目元の涙をグイっと大きな手で拭く。
アレンの目に映った男の顔は笑顔だった。
「安心しろチビ」
男の笑顔はその時のアレンには、とても頼もしく見えた。
(人は信用できない。でも、この男は何をしているんだろう。私なんかを助けてくれるのか…?)
「俺が守ってやるから」
「!」
アレンの不安を拭うように、男はそう言った。
「この国では人さらいは厳禁だぞ」
厳しい顔でそういうと、跳躍する。
そこは建物に囲まれた場所だったにもかかわらず、男はいとも簡単にそこから抜け出してしまう。
「…お前は誰だ……」
「警戒心丸出しのチビだなぁ…助けてやったんだから感謝ぐらいしてくれよ」
「お前もどうせ、さっきのやつらと同じような奴なんだろ」
「俺はあそこまで堕落してはいないから安心しな」
男はそういうと、アレンの目元の涙をグイっと大きな手で拭く。
アレンの目に映った男の顔は笑顔だった。
「安心しろチビ」
男の笑顔はその時のアレンには、とても頼もしく見えた。
(人は信用できない。でも、この男は何をしているんだろう。私なんかを助けてくれるのか…?)
「俺が守ってやるから」
「!」
アレンの不安を拭うように、男はそう言った。
涙があふれて視界がぼやける。
それでも足を緩めることはなかった。
さすがに多数の人数で追われるといくら体の小さなアレンでも追い込まれてしまう。
目がぎらついた男どもに、じりじりと追い込まれる。
「観念しろや…ガキ…」
小さなアレンを追いかけるのは大男達には相当辛かったようであり、息が荒い。
もうダメか…
フッと体の力を抜き、倒れようとした瞬間、耳に響くやわらかい声が聞こえた。
「危ないぞ」
トンと誰かに抱き留められる。
「誰…?」
にじんだ視界が男の色を映し出す。
彼もまた、アレンと同じ、銀色だった。
「大丈夫か?チビ」
それでも足を緩めることはなかった。
さすがに多数の人数で追われるといくら体の小さなアレンでも追い込まれてしまう。
目がぎらついた男どもに、じりじりと追い込まれる。
「観念しろや…ガキ…」
小さなアレンを追いかけるのは大男達には相当辛かったようであり、息が荒い。
もうダメか…
フッと体の力を抜き、倒れようとした瞬間、耳に響くやわらかい声が聞こえた。
「危ないぞ」
トンと誰かに抱き留められる。
「誰…?」
にじんだ視界が男の色を映し出す。
彼もまた、アレンと同じ、銀色だった。
「大丈夫か?チビ」
真っ青な空に漂う風船は風に揺られながら上に上に上っていく。
思わずその風船に両手をめいっぱい伸ばすが、届くはずもなく、小さな白い手は空を切った。
「君、風船がほしいのかい?」
突然後ろから声をかけられた。
ハッとし後ろを振り向くと、風船を配っていたらしきピエロがこちらを見ている。
「君…その色は……」
思わず、ピエロの目を見てしまったアレンはしまった、と顔をしかめる。
大広場から一目散に逃げ出すが、後ろから大声を出してピエロが叫ぶ。
「そこのガキを捕まえろ!」
あのピエロは他国からロードランドの者を連れ去ろうとした輩の仲間なのだ。
アレンはそう判断すると、狭い路地をうまく利用して逃げる。
ピエロの言葉を聞いた仲間たちはアレンを総出で追いかける。
大人数で追われ、アレンには恐怖心が芽生える。
怖い、怖い…
思わずその風船に両手をめいっぱい伸ばすが、届くはずもなく、小さな白い手は空を切った。
「君、風船がほしいのかい?」
突然後ろから声をかけられた。
ハッとし後ろを振り向くと、風船を配っていたらしきピエロがこちらを見ている。
「君…その色は……」
思わず、ピエロの目を見てしまったアレンはしまった、と顔をしかめる。
大広場から一目散に逃げ出すが、後ろから大声を出してピエロが叫ぶ。
「そこのガキを捕まえろ!」
あのピエロは他国からロードランドの者を連れ去ろうとした輩の仲間なのだ。
アレンはそう判断すると、狭い路地をうまく利用して逃げる。
ピエロの言葉を聞いた仲間たちはアレンを総出で追いかける。
大人数で追われ、アレンには恐怖心が芽生える。
怖い、怖い…
もう帰ろう、と思って後ろを向くと、子供たちのワーッという歓声が聞こえる。
アレンはそれにびくりとする。
そして、声のした方をそろりと向くと、大広場の方だった。
確か、大広場の方は子供向けの屋台やパレードが行われていたはずだ。
「行ってみようかな…」
屋敷に向かっていた足を、クルリと反対方向に向ける。
大通りの端っこをできるだけ早足で駆ける。
(早く、早く、ちょっとだけ見てから帰るんだ…
ちょっとだけ…)
広場にはたくさんの子供が集まっていた。
母と手をつないで、ニコニコとした笑顔の同年代の子らをみると、アレンは無性に悲しくなった。
自分の色がなければ、こうやって母様や父様と祭りにも来られたのに。
自分の色、悪いのは自分の色なのだ。
忌々しい色。
アレンはいくらこの色を褒められようと『美しい』と思うことは一度としてなかった。
憎いだけ。
真っ青な空にフワフワと風船が漂っていた。
アレンはそれにびくりとする。
そして、声のした方をそろりと向くと、大広場の方だった。
確か、大広場の方は子供向けの屋台やパレードが行われていたはずだ。
「行ってみようかな…」
屋敷に向かっていた足を、クルリと反対方向に向ける。
大通りの端っこをできるだけ早足で駆ける。
(早く、早く、ちょっとだけ見てから帰るんだ…
ちょっとだけ…)
広場にはたくさんの子供が集まっていた。
母と手をつないで、ニコニコとした笑顔の同年代の子らをみると、アレンは無性に悲しくなった。
自分の色がなければ、こうやって母様や父様と祭りにも来られたのに。
自分の色、悪いのは自分の色なのだ。
忌々しい色。
アレンはいくらこの色を褒められようと『美しい』と思うことは一度としてなかった。
憎いだけ。
真っ青な空にフワフワと風船が漂っていた。