霜月紗がFC2のほうで書いたものを移転して持ってきています。
かなり読みにくいです(-_-;)
FC2の方で書いている方が読みやすいと思います(
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いつの間にか、辺りは夕焼けの茜色に染まっていて、男が緩やかに走るために、いつもより長く空を見た気がする。
ローブを深くかぶりこんで、暖かな体温に身を任せていると、いつのまにか、アレンの意識は深い闇の底へとひきずりこまれていった。
☨
「…い……おい…」
「…?」
軽く揺さぶられ、アレンは深いまどろみの中から意識を引きずり戻す。
いつの間にか、自分の屋敷の前にたどり着いていた。
「チビ、よく寝てたな」
「…アレン」
「は?」
「私はチビなんかじゃない!アレンだ!」
チビ、という言葉は身長が伸びないアレンにとっては禁句だったりするのだ。
男はクスクスと笑うと、アレンを下す。
「はいはい、アレンな」
馬鹿にしたような笑い方。
少なくとも、アレンにはそう見えたし、実際にそうだった。
ローブを深くかぶりこんで、暖かな体温に身を任せていると、いつのまにか、アレンの意識は深い闇の底へとひきずりこまれていった。
☨
「…い……おい…」
「…?」
軽く揺さぶられ、アレンは深いまどろみの中から意識を引きずり戻す。
いつの間にか、自分の屋敷の前にたどり着いていた。
「チビ、よく寝てたな」
「…アレン」
「は?」
「私はチビなんかじゃない!アレンだ!」
チビ、という言葉は身長が伸びないアレンにとっては禁句だったりするのだ。
男はクスクスと笑うと、アレンを下す。
「はいはい、アレンな」
馬鹿にしたような笑い方。
少なくとも、アレンにはそう見えたし、実際にそうだった。
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自分のせいで他人に迷惑をかけることは嫌だった。
でも、そんなアレンを見透かすように男はまたニカリ、と。
「今は仕事は休憩中なんだ。心配しなくてもいいぞ」
「っ!べ…別に心配したわけじゃ…」
「俺が勝手にお前と遊ぶだけだから、気にしなくていい」
「……」
(なんでこいつはあったばかりの私にここまでよくしてくれるんだろう…)
それが不思議でならなかった。
押し黙ったアレンを男はまた担ぎ上げる。
「うああ!」
「今日は遅いからもう帰れ。家どこだ?」
「急に何するんだよ!」
「うっさい。家どこだ?明日さらう為に覚えとかなきゃなんないだろ」
「…この森を西に抜けた丘の上」
「わかった」
でも、そんなアレンを見透かすように男はまたニカリ、と。
「今は仕事は休憩中なんだ。心配しなくてもいいぞ」
「っ!べ…別に心配したわけじゃ…」
「俺が勝手にお前と遊ぶだけだから、気にしなくていい」
「……」
(なんでこいつはあったばかりの私にここまでよくしてくれるんだろう…)
それが不思議でならなかった。
押し黙ったアレンを男はまた担ぎ上げる。
「うああ!」
「今日は遅いからもう帰れ。家どこだ?」
「急に何するんだよ!」
「うっさい。家どこだ?明日さらう為に覚えとかなきゃなんないだろ」
「…この森を西に抜けた丘の上」
「わかった」
男はふいに顔を上げると、アレンの頭の上にポンと手をのせた。
「お前、そしたら友達と遊んだことないのか?」
「ないに決まってる」
「そしたらさ、俺と遊ぼうぜ」
「は…?」
いきなり俺と遊ぼう、と言う男に、今度はアレンが目を見開く。
年齢は知らないが、見ただけで、自分よりいくつも年上なことは分かる。
そいつが遊ぼう、というのだ。
しかもいきなり。
さすがにアレンでも、はい遊びましょう、とは言えない。
「私、屋敷に閉じ込められてるって言わなかったか?」
「んなの関係ねえよ。毎日俺がさらって行ってやるよ」
「……見つかった時が困る」
「そんときはそんとき」
何が何でも自分と遊ぶ気らしい。
アレンはそこまでして、自分と遊ぼう、と言ってくれることに嬉しさを感じたが、表情に出たら、なんだか子供みたいで恥ずかしいので、フンと横を向く。
「大体お前、仕事してないのか?私なんかと遊ぶ時間あるほど暇なのか?」
(…素直に喜べない……でも、こいつだって忙しいだろうし…)
見た感じは、そこまで重職についている、とは思えなかったが、旅人でもなさそうだ。
「お前、そしたら友達と遊んだことないのか?」
「ないに決まってる」
「そしたらさ、俺と遊ぼうぜ」
「は…?」
いきなり俺と遊ぼう、と言う男に、今度はアレンが目を見開く。
年齢は知らないが、見ただけで、自分よりいくつも年上なことは分かる。
そいつが遊ぼう、というのだ。
しかもいきなり。
さすがにアレンでも、はい遊びましょう、とは言えない。
「私、屋敷に閉じ込められてるって言わなかったか?」
「んなの関係ねえよ。毎日俺がさらって行ってやるよ」
「……見つかった時が困る」
「そんときはそんとき」
何が何でも自分と遊ぶ気らしい。
アレンはそこまでして、自分と遊ぼう、と言ってくれることに嬉しさを感じたが、表情に出たら、なんだか子供みたいで恥ずかしいので、フンと横を向く。
「大体お前、仕事してないのか?私なんかと遊ぶ時間あるほど暇なのか?」
(…素直に喜べない……でも、こいつだって忙しいだろうし…)
見た感じは、そこまで重職についている、とは思えなかったが、旅人でもなさそうだ。
「…お前は……」
「?」
アレンは笑う男を真っ直ぐに見つめた。
色の異なる双眸に自分の笑う顔が見えるのが、やけに印象的だった。
「お前は、屋敷に何時も閉じ込められていたり、同じ年の子供と遊べなかったり、親と会うことが禁止されたりしていたか?」
「っ…‼」
アレンが淡々と告げた言葉に、男は驚いたように目を大きく見開く。
「…お前はそうなのか?」
急に下を向いていう男にアレンはドキリとする。
その声音がさっきとは打って変わって、冷たく、低く、周囲を威圧するような、そんな声音に豹変していたからだ。
(なんか変なこと、言ったかな…)
アレンは内心かなり動揺しながらも、こくりと頷く。
「――――――――――…」
それを感じ取って男が何か呟く。
そこだけ、世界が…いや、次元が変わったような気がした。
やけにリアルに残っているのは、男の押し殺したような呟き。
アレンには、何が何だかわからなくて、不安で仕方なかった。
「?」
アレンは笑う男を真っ直ぐに見つめた。
色の異なる双眸に自分の笑う顔が見えるのが、やけに印象的だった。
「お前は、屋敷に何時も閉じ込められていたり、同じ年の子供と遊べなかったり、親と会うことが禁止されたりしていたか?」
「っ…‼」
アレンが淡々と告げた言葉に、男は驚いたように目を大きく見開く。
「…お前はそうなのか?」
急に下を向いていう男にアレンはドキリとする。
その声音がさっきとは打って変わって、冷たく、低く、周囲を威圧するような、そんな声音に豹変していたからだ。
(なんか変なこと、言ったかな…)
アレンは内心かなり動揺しながらも、こくりと頷く。
「――――――――――…」
それを感じ取って男が何か呟く。
そこだけ、世界が…いや、次元が変わったような気がした。
やけにリアルに残っているのは、男の押し殺したような呟き。
アレンには、何が何だかわからなくて、不安で仕方なかった。
「お前の髪と私の髪は同じ色をしてるな」
アレンは乱れたローブを外しながら言う。
いまだ、同じ髪の色を持ち合わせた者はいなかったので、少し親しみを感じていたのだ。
真っ直ぐな灰色の髪は木漏れ日を受けてキラキラと銀色に輝く。
髪に編み込むようにして結んである細いリボンは闇に紛れ込むような漆黒だった。
異色ではあるが、元々は愛くるしい少女である。
硬い表情さえなければかわいいのにな…、とアレンに聞こえないように小さく、少しだけ悲しそうに呟く。
「おそろいだな」
そんな思いを掻き消して、ニカリと明るい笑顔を見せる。
出会ってたった数分しかたってないのに、アレンの中の男のイメージは、絶えず笑顔の男、となっていた。
(私に笑みを向けてくれる者なんていなかったからな…)
軽蔑、侮辱、恐れ、憐み。
いらないものばかりが山のように与えられてきた。